伊藤はり灸治療所　ノホホン日記

まいど、伊藤です。

ものすごく残念なニュースでした。
クラシック音楽の話ですが、佐村河内氏のゴーストライターの件です。
これから先様々な事が明らかになるでしょう。それもあっけなく。
蓋を開けてみれば、とんだ茶番だったという事になるでしょう。
しかし、音楽（楽曲）そのものが嘘となるわけではないと思います。

私はCDを聞いてますし、NHKの特集も見ています。
あぁ、こんな曲があるんだ。すごい曲を書く人が日本にもいるのだと感動しました。
そして、付随する佐村河内氏のバックグラウンドはセンセーショナルでした。
しかし、それらほとんどが嘘であったとなるかもしれません。たぶんなる。
彼は世界を巻き込んで大芝居をうった。命がけで大芝居をうった。
それをマスコミがあおって、世界はまんまと騙された。
これからの人生、その罪を背負って生きていくことでしょう。
贖罪はあまりにも苦しいです。でも、生きるべきです。
くれぐれも命を粗末にする様なことがない様にと思います。

そして、今回告白したゴーストライターの新垣氏の気持ちも痛いほどわかります。
曲がオリンピックという世界の舞台で使用されるという事実を前にした葛藤は容易に想像できます。
精一杯の誠意というにはあまりにもひどい内容であり、タイミングです。
しかし、もうこのタイミングしかなかったのではないかとも感じます。ぎりぎりのライン。

私が思うに、今回の件は「全聾の作曲家による」という点がなければどうでしょう。
絵の世界でも文章の世界でも、ゴーストライターの存在はあります。
それが音楽の世界にもある。それが今回あらためてあきらかになっただけ。
マスコミはそこを忘れないでほしい。マスコミは虚像を作った共犯者はでもある。
そこをしっかり見極めれば、それ程落胆する必要はない。

「交響曲　ヒロシマ」はやはり素晴らしい楽曲だと思います。
そして、それを作曲した新垣氏の感性は素晴らしい。そこは変わらない。
巷にあふれている（と思われる）適当にパソコンを使って自動作曲で作られた曲ではない。
そこには、やはり作曲者である新垣氏の気持ち（魂）が入っている。
それを一流の演奏家が演奏する。ボタンひとつでポンではない。

佐村河内氏の全聾の作曲家というのは虚像かもしれない。しかし、楽曲は幻ではない。
私はそう思います。音のひとつひとつに罪はない。

写真は2月4日の夕方の近所の風景。なんだかコントラストが神々しかったのでパシャリ。



最後に、その幻でない痛みには･･･やっぱり、はりデス。

Gracias