伊藤はり灸治療所　ノホホン日記

まいど、伊藤です。

自転車に関する本は探すと結構あるものです。
以前も取り上げた近藤史恵さんもそうですが、おもしろい。

以前、アームストロング氏の著作も2冊読みました。
その直後、ドーピング疑惑が大きく進展し剥奪となりました。
愕然としました。努力と奇跡により癌から復活し、優勝。
彼の著書からはドーピングのドの字も想像できませんでした。

さて、そんな自転車界のドーピングを含めた影の部分。
華やかなスターの下には、大勢のプロのアシスト（補助）が活躍しています。
そんな日の当たらない選手やプロの過酷な現状の本です。

『ラフ・ライド』　ポール・キメイジ著　大坪真子　訳


実に赤裸々に書かれています。少しでもツールなどに興味のある方は引き込まれるはず。
もちろん、ドーピングについてもリアルに告白されています。
登場人物がグレッグ・レモンを筆頭にちょっと前の選手の名前です。
しかし、その時代から既に薬物は蔓延していたということ。

先のオリンピックでも既に数名の選手がドーピング検査により失格となっています。
みんながやっているからではすまされない、命にかかわるドーピング。
実際、自転車でも陸上でもおそらく薬物によると思われる不審死があります。
本来、ドーピング検査とは選手を守る為の検査。ルール。

より人間離れした記録。アグレッシブな演技。ドラマティックな展開。
プロの名にふさわしい美しさ･･･
確かにそれは必要かもしれません。でも、体を壊してまでは観客は求めていない。

皆さんの仕事も同じ。ビタミン剤や滋養強壮剤、栄養ドリンク。
そういう物に頼ってやるのもいいでしょう。しかし、それが必要な程あなたの体は疲労している。
そこにドーピングして更に酷使する。

サラリーマン時代の私は、ソレで肝臓をおかしくしてしまいました。
どんなライトなドーピングも、人工的な薬物に変わりありません。

ドーピングより、心身の安定安静。健全な精神。譲れないポリシー。
そんな感想を抱かせるような本でした。オススメです。

Gracias